チェーホフ「可愛い女・犬を連れた奥さん」
チェーホフ 作
神西清 訳
「可愛い女・犬を連れた奥さん」
ロシア文学の本を読みたいな、と思っていたのでとりあえずチェーホフから。
ロシア文学の本を読んだのは、
恐らくこれが初めてといっていいくらいだと思うのだけれど
結構面白く読めた。
読んだのは、「可愛い女」「犬を連れた奥さん」「イオ―ヌィチ」。
何か今まで読んだ本となにか違うかって言われるとなんだろう、
登場人物の性格とかが結構面白いなと思った。
例えば、イオ―ヌィチで出て来る主人公の男性は
でっぷり太ったなんか性格の悪そうな医者だし、
可愛い女に出て来る主人公の女性は、
自分の意見をまるでもたなくて結婚相手・交際相手が話すことを
そのまんま自分の意見として話して、いわゆる恋人とか夫がいないと生きていけない女性だった。
こういう登場人物の性格設定っていうのは、
かなり個性的だなと思った。
ちなみに、犬を連れた奥さんでは
ヤルタで会った婦人のことが忘れられなくて
モスクワに帰った後わざわざサンクトペテルブルグにまで会いに行っちゃうという。
いやそりゃ別れた浮気相手がいきなり劇場で声をかけてきたらびっくりするよなあ。
そうそう、
主人公だからといって非常に美化されているわけでもなく、
なんかすごく人間らしい、人間くさい感じの登場人物設定ってのがおもしろいなと思った。