牧野智和『自己啓発の時代 「自己」の文化社会学的探究』
2012年第1版第1刷発行
本の帯びに
「本当の私を知りたい」「自分を変えたい」「高めたい」…
といった言葉の羅列があって、面白そうで手にとった。
ちまちま読んでいたのだが、
あまり自分で完全にこの本の内容をきちんと理解出来たか少し不安なので
この本を読みながら考えたことをめも程度に書いていこうと思う。
本当の自分を知りたい、
といったときに個人的に思い浮かぶのが占いだ。
私は結構占いが好きである。
でも、占いって科学的に考えるとどういう立ち位置のものなのだろう。
占い=非科学的なもの、
という等式は割と簡単に想像が出来るが
意外に科学的根拠に基づいたものなのかなあ、占いって。
この著書を読んでいる時、
もし自分が本当の自分を知りたい、とか自分を変えたいと思った時どうするかを考えたら
多分インターネットの無料占い診断とか、「自分を変えたい」とかグーグル検索で打ち込んでそれで出てきた自己啓発関連のネット記事を読むだろうなと思った。
わざわざ自己啓発の本を買う、というお金を支払ってまで自己啓発を追求する人というのは、なんていうんだろう。どういう人なんだろうなあ~とか思ったりした。(やはり意識高くて、自分でお金を自由に使うことが出来る会社員とかなのだろうか)
そうそう、あとこの本を読んで思ったのが
「コンサルタント」ってなんなんだろうねということだ。
コンサルタント、という職業はいつ頃から発生するようになったのだろうか。
最近はコンサルタント飽和が凄い様な気がしていて、
経営コンサルとかいうド王道のものもあれば、
なんか食べ物とかスポーツとか、すごく身近なものに関するコンサルタントもいる。
以前、コンサルティング会社にインターンをした際に、社内の人事の人がこう言っていたのを思い出す。
「コンサルタントという職業には、資格がいりません。だから、割と誰でもコンサルタントを自称できちゃう」
あーそうなんだ、と思った。
だからこんなに最近なんだそのコンサル?みたいなコンサルタントがよくテレビに出ているのね、と思った。
私的には、コンサルタントこそが自己の内面のテクノロジー化によって生まれた職業なんじゃないかと思うんだけどな。どうだろう。
あと個人的に思ったのが、
雑誌研究って難しいなと思ったということ。
この本では、an・anとかプレジデントを使って分析をしているのだが、
それらの研究対象に接近する理由は分かるものの、
うーん、この雑誌の代表性ってどうなんだろう…とか思わないでも、ない。
あとそういえば、この本を手に取った間接的な要因となったのは
以前ニュージーランドから留学で帰ってきた時に、日本の本屋に自己啓発本がずらりと並んでいたのにびっくりしたからだ。
ニュージーランドの本屋ではまずこんな自己啓発本は無かった、ように思う。(今考えるとニュージーランド、オークランドはなんか本屋がものすごく僅かしかなかったな)
でもこの本を見ると、アメリカとかの有名企業のCEOの本とかも言及されていて、
「あ、フーン。そうなんだ」とか思った。
もしかしたら、なんかこういう有名企業CEOの成功本とかって、結構国によってもそれくらい人気が出ているのか違うのかもな~とか思ったりした。
そんな感じです。